何かのテレビ番組で
2017年に渡米した
お笑い芸人ピースの綾部が
本を出版したと知り、
「笑いながら読み終えるはずが、
途中で衝撃を受けて真顔になった。
これが綾部の本じゃなかったら、
最後は泣いていたと思う。」
という相方の又吉の帯の言葉がすごく引っかかり、
本屋さんで見つけて購入して読んでみました。
そうしたら、
序盤はクスクスしちゃうところもあるのですが、
終盤に差し掛かるにつれ
共感できる部分や教訓になることがたくさん書かれていて
度肝を抜かれました。
綾部祐二「HI,HOW ARE YOU?」 円滑に生きていく上でのヒントがたくさん
本の序盤の章では
アメリカに渡米してからの
綾部の生活ぶりについて書かれています。
綾部のミーハーでコミュニケーションおばけな性格、
そして桁の違う行動力でのアメリカ生活が書かかれてるんですが、
もし私が渡米してもこんな展開には絶対にならない!ってくらいな
人との関わり方をしていてあっぱれです。
まるで一個一個が映画のワンシーンみたい。
その後、日本での生活や人との関わり方、
そんなことを交えながら本が進んでいくのですが、
「これはわかる〜」と思うところを中心に書いていきます。
売れるためではなく売れてからの準備をする
ピースの下積み時代の話のなかで、
コンビやパートナーの結束について書かれていたところ。
「ただ、ぼくが思うのは、コンビやパートナーの結束は、
好きなものに対してよりも、嫌いなものに対しての方が発揮されるのではないか、ということです。
(引用 綾部祐二「HI,HOW ARE YOU?)
よく結婚する条件とかで、
好きなものが一緒とか趣味が一緒とかって観点が入ることが
多いんですけど、
「嫌いなものが一緒」という方が大事な観点なんじゃなかと考えさせられた。
私と夫の場合でいうと、
2人とも好きなものって正直なかなか見つけられないんです。
共通の趣味もない。
でも、
「人混みが苦手」「外よりも家で過ごす方がいい」
「大人数と過ごすより1人で過ごしたい」など
嫌いだったり苦手というものが似ているんです。
そんなところの価値観が似ていたから一緒になったのかしら?
好きなものが一緒の価値観も大事だけど、
嫌いなもの苦手なものが一緒の価値観を重視するのも
大切だと考えさせられました。
そして、売れるというところをゴールに設定して
行動するのではなく
売れてからどう動くのがいいかということを考えて
下積み時代から準備していたというところ。
これは芸人さんだけではなく、全てのことに言えるのではと思う。
例えば、今私はWeb制作学習をしていますが、
Web制作の仕事を受けるというところにゴールを設定せずに
仕事を受けた後にどう立ち振舞って行くことがベストなのか?ということを
考えて行動していくことが大切だということを気付かされました。
”自分が自分に満足できるかどうかがいちばん重要なんです”
「人生一度きり」の本当の意味を知ってほしいという
章の部分で、
自分が満足できるような形であれば
他人になにを言われようが別に良くて、
自分が自分に満足できるかどうかがいちばん重要なんです
(引用 綾部祐二「HI,HOW ARE YOU?)
こう考えているとのこと。
これは私も思うところではありますが、
なかなか実現できていない部分でもあるところ。
頭ではわかっていても行動ができないこともちらほら。
でも最終的には自分が自分に本当に満足しているかどうかを
自分自身に問いをして、自分で答えを出していかなければいけないんですよね。
本の最後の部分で
よく「いまを生きろ」といいますけど、
未来のために今を生きるのであって、
すべての今日は、明日の、5年後の、10年後の自分のためにあるんだと思って、
生きています。
(引用 綾部祐二「HI,HOW ARE YOU?)
という言葉があるんですが、
これにすごく納得してしまいました。
というのも「いまを生きろ」というフレーズが
あんまり好きではなかったんですよね。
「いま」がよければいいの?
「いま」がよければあとはどうなってもいいの?なんて思ってしまって。笑
でも「未来のためにいまを生きろ」という意味のフレーズだったのかと思うと
すごく納得して、急にすごく好きなフレーズになりました。
このほかにも、自分自身の行動や印象を他人はどう思っているのかを
把握した上で動いて自己評価と他己評価のズレを修正する話など
なるほどーと思う話ばかり。
ミーハーでおしゃべり好きな芸人とばかり思っていたのですが、
まんまと彼の罠にハマっていたのかと思うと悔しさと共に
しっかりとした考えを持って広い心を持って寛大な人だなと感じました。